【対人心理学】リアル世界で苦手な人への対処法③【承認欲求を認める】

承認欲求をみとめる

前回
【対人心理学②】リアル世界で苦手な人への対処法 その②【課題の分離】
からの続きになります。

人には承認欲求がある

アルゴ マズロー 欲求段階説

上の図を見てください。

これはアメリカの心理学者、アブラハム・マズローが唱えた
人間の欲求階層の図になります。

一番上の自己実現欲求から最下層の生理的欲求まで
考え方や名称が少しずつ異なっていたり、6段階という考えのものもあるのですが、
おおむね変わりません。

このマズローの法則では、
人間は低い階層の欲求を満たしてはじめて、次の階層の欲求にうつることができる
と考えられています。

アルゴ マズロー 欲求段階説

たとえば、一番下の生理的欲求では、
「食べる」「寝る」「子孫をつくる」という
動物の本能といえる「生きるための欲求」があります。

その上の4つの欲求は、
生理的欲求をおおむね満たすことで現れていきます。

ロクに食べもできない、寝てもいない・・・
そんな死にそうな状態で
「会社の中での地位」とか、「恋人に愛されたい」とか
考えられないですよね?

 

そして人間はこのマズローの段階説において、
生理的欲求、安全欲求、社会的欲求はおおむね満たしていると考えられます。

日本において、
「食べるものに困っている」とか、
「常に内戦で戦車が町中を走り回り死の恐怖にさらされている」とか、
「家族がいなかったり、会社、学校などどこにも所属していない(つながりがない)」とか、
そういったことって、まずありえないですよね?

アルゴ マズロー 欲求段階説

日本人の99.99%の人は
この赤い字にした部分

承認欲求

が満たされない状態が続いていると思います。

「人から好かれたい」

「人から嫌われたくない」

「かっこいいクルマや腕時計がほしい」

「すごいやつだと思われたい」

こういう欲求は人間として、
自然に備わっているということです。

年収何億も稼ぎ、
お金に困らないような生活をしている人でも、
常に上を目指し続けるのは、
この承認欲求と、さらに上の自己実現欲求があるからこそです。

承認欲求がなければ、
世の中は良くなりません。

食べることや寝起き、家族と安全に生活することで、
満足をしてしまい、行動しなくなります。

承認欲求を捨てろだと?アドラー心理学に意をとなえる

犬の散歩 帰りたくない

前回
アドラー心理学 課題の分離
【対人心理学②】リアル世界で苦手な人への対処法 その②【課題の分離】
においては、

アドラー心理学における「課題の分離」についてお話ししました。

「嫌われたくない」ということを
目的にして行動していては、
自分の言いたいことも言えず、人が望むように行動することになってしまい、
自由が制限されストレスがかかるということでしたね。

しかしこの「嫌われたくない」という欲求は、簡単に捨てることができません。

まさに「承認欲求」が人間に備わっており、
マズローの法則において、日本人の99.99%の人は
その段階にいるからです。

アドラー心理学を学んでいくと、
「承認欲求」を捨てることに着眼点を置いているんですよね。

「課題の分離」という考え方までは良いのですが、
人間に備わっている欲求を捨てろというのは、
現実的でないような気がします。

私がアドラー心理学を最初に学んだときにピンとこなかったのは、
この「承認欲求をすてる」ということが理解できなかったことにありますね。

承認欲求を捨てることができた・・・・もしくは、
承認欲求はゴミ箱に捨てろ・・・という人は、
実際には承認欲求を捨てたのではなく、
その上の「自己実現欲求」という高い段階にまで上り詰めた人なのではないでしょうか?

社会的地位を確立したり、
ネットの世界でインフルエンサーになることにより承認欲求が満たされた状態だからこそ、
そんなことが言えるのです。

多くの人は
「嫌われたくない」という承認欲求を簡単に捨てることなどできません。

承認欲求があることをみとめ、自分の感情を観察するクセをつける

承認欲求を観察する 感情を観察する

承認欲求を捨てることができないのならどうするのか?
それにはまず感情を観察することが大切です。

自分が今、

何に対して怒っているのか?

なぜ、話している相手のことが嫌いだと感じているのか?

なぜ、自分はこのように行動したいと思っているのか?

というようなことです。

 

家族、友達、恋人、職場の人とトラブルになったとき、

自分の「承認欲求」をみとめること。

そして、自分は今何に対して怒っているのか、

なんでこんな感情になるのか・・・?
というように心を客観的に観察することです。

 

ムム?それも難しい・・・?そうですよね。
やはり理屈でわかるのと、実際にやってみるのとは違います。

 

感情を観察するという点については、
次回
【対人心理学④】リアル世界で苦手な人への対処法【自分の感情を観察する】
にまたお話しいたします。

 

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