親を老人ホームに入れたい時に考えるべきこと(後半)【施設選び、在宅介護】

在宅介護 在宅復帰 孤独死 施設入所 判断 特養

この記事は

前回
親を老人ホームに入れたい時に考えるべきこと(前半)
親 老人ホーム 施設に入れる 施設選び ポイント

からのつづきになります。

上のリンクからご参照ください。
そのうえでお話しをすすめます。

 

親を施設に入所させるときに考えるべきこと

物件選びの楽しさ、ワクワク感 疑問 スピリチュアルって何

施設の形態とその特徴

 

デイサービス、訪問介護など
在宅のサービスに限界を感じ、
自分自身もこれ以上介護をすることができない。

こういった場合には
施設入所を考えると思います。

 

しかし、
老人ホームといってもさまざまな形態があり、
サービス方針や料金体系も違っています。

この点を知らないと
あとあと後悔することになります。

担当のケアマネジャーであれば
その差を説明することができます。

ここでは
数ある施設形態の中から
代表的なものを簡単に説明します。

 

サービス付き高齢者向け住宅

 

サービス付き高齢者向け住宅は一般的にサ高住(さこうじゅう)
と呼ばれています。

サ高住は基本的には
そこらへんの賃貸アパートとかわりません。

サービス内容は
安否確認や買い物の代行、部屋の掃除、など
軽いものになります。

 

入居の対象となるのは
おおむね自立して生活されている方や
軽度の要介護の方と想定されています。

サ高住に入居するのには
要介護、要支援の認定の度合いは関係なく、
認定すら受けていなくても大丈夫です。

また、サ高住に入居しても
在宅生活の扱いになるため、
そのまま担当ケアマネジャーがついている状態です。

 

しかしこのサ高住が
今、介護業界では問題になってきています。

サ高住に住まわれている方が重度化し、
受け皿である老人ホームの入所空きがないため、
特養に近いかたちになってしまっているのです。

上述したとおり、
サービス内容が掃除とか安否確認とか
軽いモノだけのため、
排泄や食事などが自分でできなくなった場合、
けっきょく家族や別の介護サービスを外部からいれないといけないのです。

最悪、重介護が必要になった場合、
サ高住を追い出されます。

・・・というか、
わたしのつとめる特養ホームに入居してくる人は
サ高住を出されて入ってくる方が非常に多いです。

 

サ高住という施設形態は
ここ10年くらいで人気になり、
たくさん建設されていますが、
施設としてできることに限界があり、
働くひとにとってもあまり未来がない・・・と思います。

ぶっちゃけ、
「もっと安い賃貸アパートと変わらないじゃん!」
って思うからです。

わたしの予測ですが、
将来的にこのサ高住という形態が
継続することは難しいと思います。

 

介護老人保健施設

 

介護老人保健施設は、
通称、老健(ろうけん)と呼ばれるものです。

基本的には
怪我や病気から在宅復帰をするために
リハビリが必要になり、
おおむね3ヶ月くらい入所をすると
想定されています。

 

老健はリハビリ施設であり、
管理者は医師とさだめられています。

医療体制も充実しています。

老健へ3ヶ月リハビリへ行き、
在宅へ帰ってきた利用者さんが
めちゃめちゃ元気になって
帰ってくるのをよく見て

「老健はすごいんだなぁ」

と思っていました。

 

何はともあれ
老健は永住を目的としたものではなく、
数ヶ月で退所を前提としていると
認識が必要です。

介護付き有料老人ホーム

 

多くの一般企業が
この有料老人ホームの事業に新出してきます。
儲かるんでしょうか・・・。

サ高住とは違って、
賃貸ではなく、永住することが前提となっています。

自立〜要支援、要介護などの認定を受けている人など
幅広いです。

 

欠点は
入居金や月額費用に多額のお金がかかること。
入居金だけで数千万円かかる場合もあります。

サ高住とは違い、
介護サービスも充実していますが、
お金持ちしか入居できないイメージです。

グループホーム

 

グループホームは施設というよりも、
一軒の家というようなイメージです。

家事などを職員や利用者さんが
一緒になって行う
少人数単位の施設です。

インスタグラムの写真なんか見ると、
グループホームは普通の家という感じで
非常に温かみのある感じが受けられますね。

 

しかしグループホームは
介護が重度化したり、
特別な医療的ケアが必要になったりすると、
退去させられたりする場合があります。

どんなに元気な高齢者でも
いずれは体はおとろえてしまいますから、
永続的に入所する・・・という意味では
どうでしょうか?

特別養護老人ホーム

 

特別養護老人ホームは通称、特養(とくよう)と
呼ばれています。

わたしも2020年7月現在、この特養で
施設介護職、施設ケアマネジャー業務をおこなっています。

 

特養は「終の住処」(ついのすみか)と捉えられています。

基本的に、介護を専門とする施設ですので、
老健のようなリハビリに特化してもいないし、
デイのようにレクリエーションが充実しているわけでもないです。

しかし利用者さんの介護が重度になっても、
入居前から重度であっても
よほどの理由がない限り、施設を強制的に出されることはないです。

可能性としては
長期の入院が要されたり、常に病院での医療措置が必要な場合など
復帰が難しい場合なのです。

しかし一度特養に入所すれば
もし途中で長期入院して施設を退所した場合でも、
病院から退院後に優先的に入居ができるケースも多くあります。

 

わたしが考える特養の最大のメリットは
利用者さんの最後のすまいとして生活があること。

多くの施設が看取りケア(ターミナルケアともいいます)を行っており、
入居者さんの最後の死の瞬間までつきそいます。

 

介護保険で運営されているので
有料老人ホームに比べれば比較にならないほど安いのですが、
その分、入居希望者も多く、
わたしの施設でも数百人が申し込みをして「待ち状態」になっています。

その他の施設形態

 

そのほかにも、
小規模多機能介護施設や、
医療に特化した介護療養型医療施設など
さまざまな形態があります。

どれがのぞましいかは
やはりケアマネジャーと相談するのが良いでしょう。

 

将来、親の施設入所を考える場合の王道

ライフプラン 将来設計 マイホーム購入

とりあえず特養の入所希望は数カ所出しておく

 

お話ししてきたとおり、
様々な施設形態があり、
ここで紹介しきれていないものもあります。

しかし特養以外のどの施設は
介護が重度化した場合に退所されられ、
けっきょく次の施設を探さざるを得なくなったり
する可能性が高いことから、
特養への入所申し込みはしておいたほうが良いです。

在宅サービスを受けている方あれば
ケアマネジャーに言えばOKです。

おそらく家族が施設入所を考えている場合、
ケアマネもそういう提案をしてくるはずです。

 

ただし特養は
要介護3以上でないと申し込みすらできません。

要介護3以上であれば
とりあえず複数の特養に入居申し込みをしておきましょう。

どこも多くの待ち人数がいますが、
数打てば当たる可能性が高くなります。

それと
利用者さんの状態や家族の都合など、
緊急性を要する場合は入所順位が早まる場合もあります。

逆に要介護3以上であっても
きわめて元気な方は
入所できない可能性が高いです。

 

入所申し込みを出しておけば、
いざ施設から「入所できます」と言われたときに

「うーん、うちは在宅で生活できるから
入所はまだしなくていいかなぁ😕」

と断ることもできます。

そして順位が高い状態になって
いざ入所が必要になったら
すぐに入りやすい状態にしておくのが吉です。

在宅のサービスをフル活用

 

もし資金に余裕があるのなら、
特養入所申し込みだけはしておいて
在宅サービスをフル活用していきましょう。

家族が仕事でいそがしくて
在宅介護にまったくかかわれない場合でも
朝から訪問介護 → 通所介護 → ふたたび訪問介護
とサービスをつなぎ、
1日の穴をうめることもできます。

そして
合間、合間で短期入所を活用していくのです。

 

通所介護や短期入所の利用で特養に入所しやすくなるメリット

 

そして、これは介護職員側の意見で
タブーかもしれませんが、
ぶっちゃけます。

通所介護や短期入所などのサービスを使っていると、
そのサービスがある同じ特養施設に入所がかなりしやすくなります。

えこひいき・・・と思われるかもしれませんが、
これは事実です。

 

特養ホームでは入所できる利用者さんを入所判定会議にかけて
通過できるかチェックします。

そして、
通過できた利用者さん、ご家族に対し、
「空きができたので、入居できますよ」
という連絡をおくります。

しかし、特養施設側からすれば
ケアマネからおくられてくる
まったく知らない人の事前情報は
その人が入所しやすいように
都合の悪いことがふせられている場合もあります。

いざ、
入所してから
「ちょっとこの人を見るのが無理だ」と思っても、
基本的に特養は
「大変だ😓」
という理由だけで
退所させることができません。

 

限られた介護保険料で、
限られた少ない人員で施設を運営している側からすれば、
最初から病気や介護の必要度、性格、ご家族との関係などを
わかっている人を入所させたいと思うのが当然です。

そこで、
その特養施設の通所介護や短期入所を使っているひとであれば、
入所する前から職員がすでに介護をしているわけですから、
どういうところに気をつければいいかが
一目瞭然なのです。

 

介護 入浴 介助 マスク 酸素不足 ダウン

 

「特養は大変な人を優先的に入所させる・・・」
というキレイゴトであり、
現実はそういうことなのです。

入所希望を考えているのであれば、
入所を前提としてサービスを使いたい・・・
ということをケアマネにつたえましょう。

※ この話はその特養施設が
通所介護や短期入所サービスを運営している場合にかぎります。

しかしほとんどの場合はいずれかを運営している施設がほとんどです。

自分の家で生活して、自分の家で最期をむかえるすばらしさ

一人暮らし 座る位置 模様替え 孤独 食事

親が入所してもいいと思える施設づくり

ここまで書いてきて・・・

わたしは
自分の親を施設に入居させたいと思いません。

 

それは
多くの介護施設の実態を
知ってしまっているからです。

現状、
99%の介護施設が
時間に追われて利用者さんをモノのように扱っている状態なのです。

 

わたしはそんな介護施設に嫌気がさし、
「介護現場を変える!!」
「親を入所させたい施設をつくる!」
といきごんでいます!

そして、前の職場を退社し、
新規の事業にとりくんでいます。

何事も継続できないわたしですが、
このモチベーションの火だけは
十数年間絶やすことがないし、
今後、絶やしてしまったときは
このブログごと消すくらいの気持ちです。

 

自分の施設づくりはさておき、
やはり施設入所というのは
させたくありません。

自分の家で生活できるすばらしさ

 

長年すみなれた家というのは
その人にとっての居場所です。

介護施設が終の住処といっても、
どんなに頑張ろうが、
「家」にはならないと思います。

介護職員が
どんなに頑張ろうが、
「家族」にはならないと思います。

 

<関連記事>
【独身マイホーム購入記①】
友達の家がうらやましい!

 

家というのは
その場所そのものだけでなく、
その人の思い出がたくさんつまっています。

その人がどんな病気になろうが
また、どれだけ介護者が大変であっても、
その家に最期まで住み続けられるというのは
最高の幸せだとわたしは思います。

 

孤独死ってそんなに悪いこと?

 

独居の高齢者の孤独死が
テレビのニュースなどでは
とても悲しいことのように伝えられます。

実際、
在宅介護の仕事をしていたときは
そのような境遇に何度も直面しました。

ですが、
わたしはその人が不幸で
さびしい人生をおくっていたかというと
必ずしもそうでない場合が多いです。

昨日まで元気にデイサービスに来てたのに、
翌日、その人が家のソファーで亡くなっていたという場合も
普通にあります。

 

病院で入院して数年間、
チューブにつながれ延命治療をうけたり・・・

施設に入所して数年間、
自由のきかない生活を強いられたり・・・

そのような生活と、
在宅でひっそりと一人で亡くなるのと
どっちが幸せなのかな・・・??

やすらかに眠る 表現 介護

 

在宅介護のすばらしさ

 

デイサービスで働いていたころ、
週6回デイサービスに通っていた女性がいました。

その女性はわずか60歳、
若年生アルツハイマーでした。

40代後半という若さで発症、
旦那さんも大変だったと思います。

正直、
人生の半分を介護に奪われる・・・という
想像しただけで、悲しくなりました。

 

でも、わたしは大きな勘違いをしていました。

その旦那さんが
いつもデイから帰る奥さんを迎えるときの笑顔。

その旦那さんが
デイサービス職員に
毎日ていねいな手紙を書き、
家での奥さんの様子を伝えてくれること。

 

これだけ知れば
旦那さんがどれだけ奥さんのことを
愛しているかがわかります。

 

お話したように、
週6回デイサービスを使っていて
徘徊や食事介助など非常に大変な女性の利用者さんでしたが、
介護者である旦那さんは
施設の入所申し込みなどする様子は
さらさらなかったです。

 

このケースを見てわたしが思ったこと・・・。

認知症がすすみ旦那さんの顔すらもわからなくなり、
自分がどこにいるかも把握できない状況でも・・・

日中はほぼデイサービスでも、
夜はいつも同じ家に帰る・・・

家族と夕食をともにする
一緒に寝る・・・

これが
とても意味のあることなのだと
いうことです。

 

今このブログを見ている方で
自分の大切な人をどこかに入所させたい・・・
と考えている場合、
この記事で紹介した方法をおすすめしますが、
その前にもう一度考えてもらいたいです。

その人の人生の最期にとってそれがいいのか・・・?

大切な人を介護する立場で
施設入所という手段しかないのか・・・?

特養から在宅に復帰した利用者さんがいた

 

非常に長くなってしまいましたが、
最後にもう一例だけ話させてください。

 

特養に入居したら死ぬまでそこで生活・・・。

国は「在宅復帰」などとキレイゴトをならべていますが、
現実問題、そんなケースはほぼありません。

 

ほぼ・・・と書きましたが、
わたしが知っているケースで
たった一例だけ、在宅復帰を果たした利用者さんがいます。

 

その方は長年特養に入居していましたが、
高齢により、もう先が長くない状態でした。

施設では看取り介護もしますが、
ご家族がくだした決断は、
「おばあちゃんを最後は家にかえしてあげたい」
ということでした。

今、思い返すと
これってものすごいことなのです。

 

その後、
その方は在宅へ帰り、
大切な家族の介護を受け、
半年後にご自宅で亡くなられました。

寝たきりで
自分でお話しされることもなかったですが、
ご本人にとっても
ご家族にとっても
すばらしい最期をむかえられたのだと
わたしは思います。

 

60代の若年性認知症の方の話もそうですが、
介護職を長くしていると
こういったすばらしい出来事に
時々、遭遇します。

人の死を身近に感じる職業で
プレッシャーもありますが、
これだからこの仕事はやめられません。

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