このネット〜SNS全盛期では、ゲームや小説、映画などのネタバレに意図せず遭遇してしまうことは多々ある。
例えばネットではなく近所の家電量販店でゲームを購入するにしたって、購入する直前にAmazonでレビューを見てしまうだろう。
商品のレビューだけではない。身近にあるコンビニエンスストアやスーパー、病院、市役所などの行政機関まで、Google マップのクチコミで評価されてしまう。
私自身、新しい街に引っ越して新しい美容院や歯医者を見つけようとしているのだが、「失敗したくない」という気持ちからそうしたレビューを見ざるを得ない。
もう、この世の中はネット〜SNSでの評価というのはかなり重要なポイントになってきており、いつでも確認できる身近な存在である。
話を最初に戻すと、ゲームや小説などの娯楽を購入するにも評価を確認するのが当たり前になっているし、私自身もそうしている。
もちろん、発売日を楽しみに待っているようなものは、評価が世に出る前に購入するが、そんなものは滅多にない。たいていのものは、既製品である。
しかしそんな評価の場所に、そういった場所にネタバレを容赦なく投入する『ネタバレ厨』がいる。
ゲームのラスボスであったり、ミステリー小説であれば犯人。当然、こんなものをバラされては読む気がなくなる。
しかし例えばAmazonレビューであれば、別にネタバレを投稿することは禁じられていないし、ネタバレが怖いなら見なければ良いといえば、それまでである。
しかしそのレビューを参考にするのは不特定多数である。そういったところに平気でネタバレを投下するのはどうかしている。
私はこういったネタバレ厨の真意、目的とは何なのかを考えた。
こういう人たちは意外にも、誰かを不快にさせようと思ってこういう事をしているのではない、というのが私の考えだ。
最近、とあるミステリー新作小説のレビューをAmazonで観たときに、以下のようなネタバレレビューがあった。
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★★★★★ 犯人●●●の心理は…
2023年12月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
犯人の●●●の心理、○○○をかばっての殺人に同情できる。私は●●●を完全な悪とは思えず、○○○のために自分が手を汚し逮捕される●●●を見ているのは切なかった。著者の次回作に期待。
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(●●●や○○○の部分には、実際に登場人物の実名が載せられていたし、結末まで書かれていた)
★5点をつけて評価を上げたり、著者へのリスペクトも感じられることから、本の評価を下げて売上を下げようとか、よくあるネガキャンでもないように思える。
誰かを困らせてやろうというようにもしてないと思う。やはり悪意を感じることができない。
しかし、たとえばこのようなミステリー小説であれば、レビューを見る大半の人は、購入前の人である。
だからネタバレを投下するのがどれだけ閲覧者を不快にさせることか、悪意がなくても、まともな大人ならちょっと考えればわかることだ。悪意がなくても、結果的に大迷惑になってしまっているのである。
幸い私は、もうその本を読み終えて自分自身がレビューをしようとしていたところだからダメージはなかったが、もし購入前にこれを見ていたら買わなかったかもしれない。
いずれにしても、どういう心理でこういう事をしているのか、この時は理解できなかった。
しかし最近、また別の状況でネタバレに遭遇した。
私の好きなゲーム実況者「加藤純一さん」のYouTube配信を観ていた際に、チャット欄でしきりにネタバレをしている奴がいた。
チャットを見るなと言われればそれまでだが、他の人のチャットを見てリアルタイムに一緒に盛り上がるからこそ、ゲーム実況は楽しいのだ。
何より、その配信者自身は初見プレイでそのゲームをやっているわけで、視聴者のコメントを拾ってそれに応答しながらプレイしていくのである。
やはりまともな視聴者ならネタバレなどしない。これがネタバレじゃなく、助ける程度、
「今、そこにアイテムがあったよ」
「その謎解きのヒントはどこどこにあるよ」
等なら全く問題ないし、むしろ配信者としても視聴者とコミュニケーションができ嬉しいと思う。
どこからがネタバレで、公に言ってはいけないことなのか、良識のある人なら理解ができる。
しかしこの配信でしきりにラスボスの名前をネタバレしている奴を見て、私はネタバレ厨が何を目的にネタバレしているのか、ある仮説にたどり着いた。
それは、
自分が周りの人が知らない知識を知っているということを分からせ、優越感に浸り、自己顕示欲を持つことである。
だから、やはり悪意ではない。ただ、マウントをとって良い気分になりたいだけなのである。
しかし悪意がなくても、幼稚である。
よく小学生どうしの日常会話では、こういうネタバレもあって仕方ない。でも、私が小学生の頃ですら、普通の子なら相手の楽しみを奪うような事はしないという事は、皆、本能的に理解していた。
親から、「ネタバレというのはいけないことなんだよ!」とわざわざ教わった子がいるだろうか?そんなもの教わるまでもなく、やっちゃいけないことはわかっているだろう。
むしろ秘密のまま、相手が結末を知った時にどんな反応をするかが楽しみだった。
こんなあまりに当たり前のことなのでネタバレが社会的な問題になることはないが、それを平然としてやってしまうネタバレ厨は、何か精神的に問題があると言わざるを得ない。
会社や学校で誰からも相手にされないから、せめてネットで知識マウントをとって、すごいと思われたいという気持ちが行動に現れているのではないだろうか。
まぁ、今回の記事はあくまで私の仮説ではあるが、悪意がなくともサラっと出てきてしまうネタバレに遭遇すると、X(旧Twitter)やAmazonレビューを見るのは控えたくなる。