前回
【対人心理学④】リアル世界で苦手な人への対処法【自分の感情を観察する】
からの続きになります。
まだ、前回までのシリーズを読んでいない方は
そちらからご覧ください。
「感情をコントロールするって難しい・・・。」
「難しいけど、自分の感情を客観的に見つめてみよう」
「明日からすぐにできる話じゃない、日々実践あるのみ!」
前回まではそんなお話でした。
もくじ
人間は感情を作り出している?
「楽しい」「嬉しい」
そんな感情はコントロールする必要もなく、
素直にさらけ出せば良いのだと思います。
問題は、「怒り」という感情なんですよね。
他人からバッシングを受けたとき、
不条理なことで上司に怒られたとき・・・
そんな時々に「怒り」という感情がうまれてきます。
アドラー心理学では、
「人は目的によって感情を作り出している」と言います。
つまり、
「怒り」という感情も
その人に対して「怒りたい」という目的で
自分自身が作り出しているといいます。
アドラーはこれを「目的論」と呼んでいます。
私も最初はこの「目的論」と聞いたときには理解できませんでした。
理解というか、納得ができなかったです。
アドラー心理学は
「課題の分離」
「承認欲求の放棄」
というような
実施するのが簡単でないものがいっぱいあるのですよね。
でも、「人間は目的によって感情を作り出す」というのは、
私は一番理解と納得ができませんでした。
ただ、これも
草薙龍瞬さん著『反応しない練習』を読んでから、
少し理解できた気がしました。
感情を作りだすしくみ
「感情を作り出す」という概念にも、
やはり、「承認欲求」の問題が関係します。
「承認欲求」といっても、全てが悪いわけではなく、
「もっと人から認められたい!」という欲求がモチベーションになり、
仕事で成果を出し、世の中に貢献できるのなら良いと思います。
一番、承認欲求の中でやっかいなのが
「見栄やプライド」なんです。
「怒り」という感情を作り出すということについて、
少し掘り下げてみます。
人からバッシングを受けたりすると、
「自分がしていることを否定された」
↓
「自分を否定された」
↓
「自分の存在意義を否定された」
と心の中で解釈してしまいます。
どんな人であっても、「自分」は大切です。
世界に一人しかいないかけがえのない「私」
「その『私』の存在を相手が否定した・・・!」
↓
「自分がここに存在している意義を証明しなくてはいけない。」
↓
「相手を屈服させるために、怒りが必要だ」
↓
怒りという感情を捏造する
という構造ではないでしょうか?
そしてこの
「見栄やプライド」という承認欲求。
これを捨てることもまた容易ではありません。
「見栄やプライド」も捨てられない。
私も捨てられませんよ・・・。
自分の対面はまだまだ気にします。
全ての争いは自分の存在意義のため
「感情の捏造」について考えていたとき、ふと思ったのです。
自分が相手への「怒り」という感情を捏造するのなら、
相手も自分への「怒り」という感情を捏造しているから
こちらを攻撃してくるのだと。
つまり、お互いが相手を屈服させるという目的がある。
これがこの世の中の全ての争い。
●子供の喧嘩、親への反発
●国会でのくだらない言い争い
●職場内の派閥、いじめなどの問題
●覇権争い
●戦争
につながっていると思います。
全ては「自分」や「自分の所属するコミュニティ」
の存在意義のため。
批判や攻撃はマントのように受け流すのが吉
そうした「怒りの感情」のメカニズムを自分なりに解釈してから、
「ではどうしたら、いつも攻撃的な態度をとる人に対処できるのだろう?」
と考え続けていました。
いろいろな本を読みました。
いろいろな人と接して悩みました。
そうしているうちに、徐々に自分の中で
「こうしたら良いのでは」という
対処法がうまれました。
実際にやってみて、
人から批判や攻撃を受けても
怒り返すことなく平常心でいられるように
少しずつなりました。
それは「見栄やプライド」を捨てなくてもできる考え方です。
ブロックしてはダメ、マントのように受け流す
相手もプライドを捨てられず、
自分もプライドを捨てたくはない。
では、その怒りの感情は
ブロックしてしまったら、相手に跳ね返り、
また自分に返ってくるだけです。
↑
私はブログのアイキャッチ画像にインパクトをもたせるためにこんなイラストを描いていますが、
ブロックというより、マントのように感情を受け流す方法しかないと思っています。
相手から攻撃を受けたとき、
剣と盾を持ち言い返しては、また攻撃が返ってきます。
かといって受け止めてしまっては、
自分の心が傷つきます、それも良くないです。
攻撃は闘牛士のマントのようにうまくかわすのが良いです。
相手の攻撃を攻撃で返してしまわずに、
さも攻撃など受けていないように冷静を装うのです。
相手はこちらを屈服させるという目的が奥底にあるのだから、
「屈服などしていない」
と冷静を装うだけで、
相手の怒りも行き場がなくなっていきます。
もしかしたらとばっちりを受ける人がいるかもしれないですが、
最後には相手の怒りの感情はその人自身が始末することになると思います。
1、相手からいわれもない攻撃、強い批判を受ける
↓
2、相手にも自分にも承認欲求があるのだというメカニズムを意識する
(常にそう意識していないと忘れてしまうので、クセをつける努力をする)
↓
3、相手の批判に対して、冷静を装うフリをして聞き流す
ここでいう攻撃とは、
自分のことを妬んだり、
その人の機嫌によって自分に怒りを撒き散らす関わりたくない人のこと、
あるいはそういう行動のことを指しています。
もちろん、相手が攻撃ではなく、
自分のために真摯に叱ってくれていたり、注意をしてくれているのであれば、
喜んで聞き入れるべきです。
現実世界で苦手な人からの攻撃から、自分の心を守るために
現実世界で苦手な人や嫌いな人から攻撃を受けたときの
対処法としてシリーズで記事にしていますが、
これは正直終わることがなさそうです。
なぜなら人間は永遠に完全になることはないからです。
対人心理学に限らず、
すべてのことは一生学び続けるものだと思いました。
大切なのは、
自分の心を守るすべは、自分で会得し、実践していかなければならないということ。
私自身は心を落ち着かせるために、毎日(おおむね朝だけ)半夏厚朴湯という漢方薬を飲んでいます。
哲学、心理学、スピリチュアルなどを学ぶと同時に、食事や薬でのアプローチも有効なのです。
自分の心を守ることで、自分の心の幸せを守る。他人から簡単に自分の心に土足で踏み込ませないための
土台ができあがっていきます。
それは少しずつしかできません。
私自身も毎日が勉強です。
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