【介護職の地位向上のために】介護職=自己犠牲の仕事 という誤解

少し私の介護の仕事についてお話しします。

「自分には関係ないや」と言わず、
だれもがいつか高齢者になり介護を受ける立場になるわけですから、
少しだけお耳を傾けてくれませんか?

介護職=やさしい人 ではない

職業は介護福祉士だというと、よく他人から

「えらいね。大変な仕事だよね。」
「優しい人じゃないとなれないよね」

こんな言葉をかけられます。

実際に介護職をしている人はわかると思いますが、これってものすごい大きな誤解ですよね。

私はこの仕事に誇りをもっていますが、実質的には他のサービス業と変わらないと思います。

サービス業は、モノではなくサービスを売って、従業員はその労働の対価として給料を得ます。
つまり、
髪を切る整える=サービス の美容師さん や
客を目的地まで送り届ける=サービス のタクシードライバーさん と同じです。

高齢者や障害者を支援する=サービス なだけです。
別にえらくもなんともありません。

それを無給で見返りを求めずに行っているボランティアさんがすごいのです。
給料をもらっている時点で、サービス業どころか世の中のほとんどの職業と同じですよね。

介護職の地位がいっこうに上がらないのは、自分で考えて行動できないから

私は仕事柄、看護師や医者といった医療職とも一緒に仕事をします。
それだけじゃなく、取引先の営業だったりエンジニアの方とも仕事をします。

そうした経験からわかるのですが、
介護職は、何か不測の自体があったときに、すぐに人や環境のせいにする人が多いです。

「私の給料が低いのは施設の運営が悪いからだ」
「介護職全体の給料が低いのは介護保険制度なんてものをつくったからだ」
「私のストレスの原因は、同じ部署に気の合わない職員がいるせいだ」
「この部署がだめなのは、上に立つ人がダメだからだ」

ふとすると、このような意見ばかり。
まぁ、愚痴のたぐいというのはどこの会社にもあるかもしれませんが、
介護職は愚痴や不満をいうだけでなく、実際に行動しようとも、考えようともしない人が多いです。

もちろん全員がそういう人とは限らないし、
実際に上に立つ人間がめちゃめちゃダメな人間という場合もあります。

でも人間、良いところもあれば悪いところもあるのです。
自分がもし、欠点が何一つない完璧な人間であれば良いのですが、
そんな人はこの世に存在しないので、
人のことをああだこうだ言う前に、「自分はどうするか」「自分にできることは何か」
を考えるべきだと思います。

私は役職者なので、部下や同僚にはいつもそんな話をしています。
でもやっぱり介護職は考えるのが苦手なんですよね。

特に、看護師と一緒に仕事をしていると違いがよくわかります。
介護も看護も同じ専門学校を出て学ぶ過程が基本であるのに、
どうしてこう行動力、思考力が違うのか。

そのひとつは、資格であるかと思います。

介護福祉士も看護師も同じ国家資格です。
ですが、その資格の特性は違います。

介護福祉士は名称独占資格です。
これはその資格をもった人しか、その名称を名乗ることができないというものですね。
でも、介護業務の99パーセントは、介護福祉士の資格がなくてもできてしまいます。

一方、看護師は業務独占資格です。
これはその資格をもった人しか、その業務自体を行ってはいけないというものです。
医師も同じです。医師免許のない人が無免許で医療行為をすると逮捕されますよね。

前者はそんな勉強しなくてもとれてしまう資格ですが、
後者は相当な勉強がいります。
人の命を扱うのですから。

その看護師の勉強の過程「看護過程」では、看護そのものの技術や知識にとどまらず、モノの考え方そのものを学びます。

一方、「介護過程」は歴史がまだ浅く、現役の介護職の間にも浸透していないです。
「介護過程って何?」と思っている人がほとんどでしょう。

そして、介護福祉士は名称のみの独占であることから、
資格を持っていない人も業界に多く入ってきて、その業務を行います。

専門学校を卒業している人が若い職員さんが馬鹿みたいです。
2年間学校に通い、長い実習期間を終えて就職したら、素人同然の人と同期になったりするのですから。

介護過程を学んでいる新卒の方ならともかく、別の業界から
「介護だったら私でもできるっ!!」
とこの業界に来た人がたくさん。
そうした人たちが集まりやすいです。
職員の履歴書を見ると大半が別職種から来た人たちばかりですね。

人がいない → 未経験の人をたくさん雇う → サービスの質が低下+職員の実力格差 →
愚痴を言う職員増加 → 職場の人間関係悪化 → さらに人がいなくなる

という負のループに陥っている気がします。

技能実習生から学び、そして尊敬しよう

猫の手も借りたい、
でも猫も貸してくれなさそうなくらい人不足、猫不足。

だからといって、高齢者のために未経験の人を簡単に業務に就かせるのはどうかと思います。

今は介護福祉士でなくても、下位の資格は一定期間の研修を受けることで取得できます。
最低限の知識を得てから、職務についてもらいたいものですね。

そして、いっそのこと、
負の温床となっている職員はリストラしたらどうかと思います。

介護の仕事は資格がなくても法律上業務ができるけれど、
一定の水準をクリアしないと業務に就けないようにしたらどうなのか。

東南アジアから出稼ぎに来ている人たちは、介護の技術は勉強しているけれども、
日本という慣れない異国で言葉が通じにくい認知症のお年寄りを介護しているから
本当に大変だと思います。(日本人どうしでも大変ですから)

でも彼らは本当にひたむきです。
母国に仕送りをしている人もいます。
私はそうした人たちを尊敬します。

「介護保険制度は、利用者がサービスを選択できる時代です。」
それが実際どこまで本人が選択できているかはともかくとして、
この先、サービスの質が悪いと生き残っていけないと思います。

IOTが進めば、お年寄りから、
「ロボットのほうがマシよ」と言われる時代も、そう先ではありません。

私たち介護職は、もっと危機感をもったほうが良いです。
私たち介護職は、もっと自分を否定したほうが良いと思います。

介護職=やさしい人 ではなく、それで良いと思うけども、
せめて介護職が世の中の会社員と平均水準くらい、
問題解決を自分でしようというレベルになってほしいなと強く願います。